血圧の薬でなぜ血圧が下がるのか、その副作用は?
血圧が下がるからくりは、案外知らないものです。
血圧が高いと診断された場合様々な降圧剤が処方されますが、代表的な三つの薬がどういう観点から作られ、どのような仕組みで血圧が下がるかについて簡単な説明をします。
ほとんどのお医者さんが第一に選択するのが利尿剤です。
血圧が高くなるのは血管の中を通る血液の量が多すぎるためであり、血圧を下げるには体内の水分をできるだけ排泄して血液を減らせばよいという観点から造られた薬です。
ホースを流れる水を減らせば圧力は下がるという発想です。
利尿剤により体内の水分量が減り血液の量が減りますから血圧は下がります。
ただ、血液の全体量は減りますが、それ以上に水分は減るため、血液の濃度は高くなり、血栓を起こしやすくなります。つまり利尿剤の副作用として脳血栓が指摘されています。
血圧は下がるけど脳血栓で命を落とすリスクが生じるということです。
でも病院では血圧が下がってよかったですねと言われます。
その他の副作用としては高尿酸血症を起こし痛風になるとの指摘もあります。
まあ、そうなれば痛風の薬を出してくれますから安心ですが・・・。
次はカルシウム拮抗剤。
カルシウムが細胞に入ると血管が収縮し血圧が上がるのでカルシウムが入るのを阻害すればよいという観点から造られた薬です。
ホースが縮まらないようにすれば圧力は下がるという発想です。
血管を収縮させるカルシウムの作用が弱まれば血圧は下がります。
ただ、血圧に関係する筋肉だけに作用するのではなく、ほかの筋肉の収縮力も弱めますから、全身に様々な悪影響を与えます。
副作用として、体がむくんだり、めまいがしたり、頭痛がしたり、気力がなくなったりします。
血圧が下がったのですから、むくみや、めまい、頭痛は我慢しましょうか。あまり酷ければ、めまいや頭痛の薬を出してくれますから大丈夫・・・。
三つ目は自律神経ブロッカー、たとえば交感神経β受容体遮断薬。
交感神経は心臓や血管を収縮させる平滑筋の働きを支配しているので交感神経をブロックして心臓の力を弱め圧力を下げればよいという観点から造られた薬です。
ポンプの性能を下げて押し出す力や回数を減らせばよいという発想です。
副作用として交感神経の働きが鈍りますからうつ病を引き起こす可能性があります。
また、心臓の機能が低下しますから、心不全になり動悸、息切れ、呼吸困難、むくみを生じます。
血圧は下がったのですから、心不全は仕方ない?
どれも血圧を下げるということだけにとらわれた発想で、血圧が上がる原因をなくすものではありません。そこには血圧を正常に保つには、血圧を上げる原因を見つけその原因をなくさないといけないという考えはありません。
低い正常血圧の基準を定めておいて、その基準内にするために薬を飲ませ、数字上のつじつまを合わせるだけ。何もわからない善良な人たちは血圧が正常値になってよかったよかったと思い薬の副作用は気付かないか、忘れてしまいます。恐ろしい事、不幸なことです。